2020年7月時点での情報です。
同行避難とはペットとともに安全な場所まで避難する行為を指し、避難生活を共にするものではありません。同行避難では人の避難スペースには動物は入れません(補助犬は例外です)。
また同行避難可能とされていても、避難所の形状や状況によりできない場合があります。
「自治体のルールでは可能なのに同行避難できなかった」ということがないよう、最寄りの避難所の状況やルールがどうなっているのか事前に知っておく必要があります。
避難所データ
同行避難の可否
可能
同行避難が可能な避難所
全避難所
各避難所のガイドラインに基づいて対応
ガイドライン(マニュアル等)の有無
あり
同行避難が可能な動物
犬・猫・小鳥等
中〜大型犬との同行避難の可否
可能
ケージの備蓄数
各避難所に数個ずつ用意
ペットの管理場所
居住スペースを隔離
悪天候でのペットの管理場所 (台風、大雨、強風など)
各避難所ごとに対応
獣医師会との協定
あり
負傷動物の診察
獣医師会による診療を予定
災害時のボランティアとの連携
なし
ペットを連れた防災訓練
実施
防災訓練の告知
区のホームページに掲載
解説
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ペットとの同行避難は、全ての避難所で可能か?
新宿区内の小・中学校を中心に51ヶ所の避難所の全てでペット同行避難は可能。
ただし、自治体による災害時のペット対策の支援は、環境省が平成30年3月に発行した「人とペットの災害対策ガイドライン」で記述されているとおり「しつけや健康管理など、平常時に飼い主が十分な飼養管理の責任を果たしていることが前提となっている。」が、新宿区のペット同行避難にも適用される。 -
ペットの種類や大きさなどで避難所には立入れない場合があるか?
原則として、犬(中型犬や大型犬も含む)、猫、小鳥等の小動物を対象としている。エキゾチックアニマル等の他の避難者が敬遠するペットや大型動物は対象としていない。
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避難するためのケージは飼い主が準備することが原則だが、区の方で備蓄はあるか?
ケージは飼い主が準備。区ではすべての避難所の備蓄倉庫に特大・大・中サイズのケージを数個ずつ用意しているが、発災当初の利用や迷い動物を保護した際の利用を想定している。また、備蓄倉庫にはケージの外に首輪、鎖、口輪なども配備している。
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ペットは避難所のどのような場所で管理されるか?
悪天候時は屋内への移動は可能か?避難先では、人とペットは分離して避難。具体的なペットの居場所は、各避難所に設けられている地域住民が主体の避難所運営管理協議会で決める。
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災害時に負傷してしまった動物の診察施設は開設されるか?
新宿区では、東京都獣医師会新宿支部と「災害時における動物救護活動に関する協定」を結んでいる。各避難所等で獣医療行為を行う。
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災害時に連携する動物専門のボランティア団体や、ボランティアとの連携の仕組みの有無
現在、ボランティア団体との協定はない。
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自治体主催のペットを連れた防災訓練は行っているか? 開催情報はどこで確認できるか?
上述の避難所運営管理協議会で毎年度の防災訓練の内容を計画する際にペット防災を取り入れる場合は、保健所も参加してペット防災コーナーを設けている。参加動物の範囲は、区で定めた同行避難可能な動物を想定している。町単位の防災訓練のため、町会の広報紙や掲示板に告知されている。自治体主催ではペットを連れた防災訓練ではないが、「防災フェスタ」や「ふれあいフェスタ」に保健所がペット防災のブースを出展している。自治体主催の場合は、区広報紙や区ホームページに開催案内を掲載。
総評
動物愛護推進員から見た新宿区の総評
新宿区はすべての避難所の備蓄倉庫に逸走動物・迷い動物用の特大・大・中サイズのケージを数個ずつ用意しており、ケージの外に首輪、鎖、口輪なども配備しているとのこと。災害時を想定して準備がされているのは心強いのですが、「数個」で数が足りるのか少々不安です。
また、新宿区主催のペット同行避難訓練はないとのことですが、各地域主体で実施されていること、新宿区保健所が積極的に出向いてペット防災のアピールをしていることなどを踏まえると、他区に比べ、より地域に根付いたペット防災対策が行われていると考えます。ただ、町内会に所属していない住民も多くいると思われますが、そのあたりへどのくらい周知されているのかが気になるところです。
関連リンク
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災害からペットを守るために
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000158677.pdf
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新宿区
http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file08_01_00001.html
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2020年7月時点での情報です。もし、お気づきの点などございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
同行避難とは?