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Lung-RADS®Version 1.1 日本語意訳

Lung-RADS 日本語意訳について

Lung-RADS®とはLung imaging -Reporting and Data Systemの略で、低線量ヘリカルコンピュータ断層撮影法(LDCT)を用いた肺がんスクリーニングの分類です。米国放射線科医学会が提唱しています。
本分類の目的は、LDCTにて肺結節影を検出した際の、フォローアップや対応についての標準化です。
このLung-RADS®については日本語の情報が少ないように感じており、勝手な意訳を紹介しますので参考にしていただけますと幸いです。興味のある方は是非下記の原文をご覧下さい。

Lung-RADS v1.1 Assessment Categories(2019 release)

https://www.acr.org/-/media/ACR/Files/RADS/Lung-RADS/LungRADSAssessmentCategoriesv1-1.pdf

意訳

佐藤 之俊(北里大学)

協力

シンクボックス株式会社

Lung-RADS®Version1.1(日本語意訳)

カテゴリ記述子 スコア 読影 対応 悪性腫瘍のリスク 有病率(推定)
不完全 0 比較用に以前のCT検査が行われている 追加の肺癌スクリーニングCT画像およびまたは以前の胸部CT検査と比較する。 該当なし 1%
肺の一部または全部を読影できない
陰性
結節なし
良性結節
1 肺結節なし 年1回のLDCT定期検査を12か月以内 <1% 90%
特定の石灰化を伴う結節
 均一な全石灰化
 中心部の粗大石灰化
 ポップコーン状
 層状の石灰化を伴う
脂肪を含む結節
良性の形状又は増大速度
大きさ又は増大速度から臨床的に活動性のある癌になる可能性が非常に低い結節
2 葉間裂周囲の結節 (Perifissural結節) (脚注11を参照)
10mm(524mm³)未満
充実性結節:
6mm(113mm³)未満
4mm(34mm³)未満の新たな出現
部分充実型結節:
最初の検診時に病変全体径が6mm(113mm³)未満
非充実型結節(GGN):
30mm(141137mm³)未満
若くしは
30mm(14137mm³)で変化がないか又は緩徐な増大
3か月以上変化がないスコア3又は4の結節
おそらく良性
おそらく良性という所見は、臨床的に癌になる可能性が低い結節を含み、短期的なフォローアップが提案される。
3 充実型結節:
最初の検査時に6mm(113mm³)以上で8mm(268mm³)未満又は
4 mm (34mm³)以上で6mm(113mm³)未満の新たな出現
6か月内のLDCT 1-2% 5%
部分充実型結節
病変全体径が6mm(113mm³)以上で充実成分径が6mm(113mm³)未満
又は病変全体径が 6mm(113mm³)未満の新たな出現
非充実型結節
最初のCT検査時 に非充実成分径(GGN) が 30 mm(14137mm⊃)以上
又は 新たな出現
疑わしい
追加の検査が推奨される
4A 充実型結節:
最初の検査時に8mm(268mm³)以上15mm(1767mm³)未満
又は増大が8mm(268mm³)未満
又は6mm(113mm³)以上で8mm(268mm³)未満の新たな出現
3か月以内のLDCT;
充実成分径が8mm(268mm³)以上の時はPET/CT
5- 15 % 2%
部分充実性結節:
6mm(113mm³)以上で充実成分径が6mm(113mm³) 以上 8 mm(268mm³)未満
若しくは
充実性成分の新たな出現 又は増大が4mm(34mm³)未満
気管支結節
非常に疑わしい
追加の検査、組織採取が推奨される
4B 充実性結節:
15mm(1767mm³)以上
若しくは
8mm(268mm³)以上の新たな出現 又は増大が8mm(268mm³)以上
悪性腫瘍の可能性と併存疾患に応じて、造影剤使用の有無にかかわらず胸部CT、PET/CT、およびまたは組織採取を実施。
PET/CTは充実成分が8mm以上(268 mm3以上)の時に使用。
年1回の定期スクリーニングCTで新たに大きな結節が発生した場合は、潜在的な感染性または炎症性の状態に対処するために、1か月内のLDCTが推奨される。
>15% 2%
部分充実性結節:
充実成分径が8mm(268mm³)以上
若しくは
充実性成分の新たな出現 又は増大が4mm(34mm³)以上
4X 悪性腫瘍を疑わせる特徴 又は画像所見を示すスコア3又は4の結節。
その他
臨床的に有意な所見または潜在的に有意な所見(非肺癌)
S Lung-RADSスコア(0- 4)に追加 具体的な所見に応じて 該当なし 10%

注意事項

  • 1) 陰性:肺癌に患っていないという意味ではない。
  • 2) 大きさ:長軸と短軸の両方を小数点以下1桁まで測定し、平均直径を小数点以下1桁まで求める。
  • 3) 大きさの閾値:最初の検出時、増大してスコア値が高くなった時。
  • 4) 増大:1.5 mm(> 2 mm³)を超えるサイズの増加
  • 5) 検査: 疑いの度合いが最も高い結節に基づいてコーディングされたスコア(0-4)の検査を行う。
  • 6) 修飾子:スコア(0-4)に修飾子Sを追加することができる
  • 7) 肺癌診断: 肺がんと診断されたら、病期分類の為に管理(PET/CTなどの画像の追加を含む)を行う。検診対象から除外。
  • 8) 定義:陰性はスコア 1 と 2 として、陽性はスコア3と4として定義される
  • 9) スコア4Bの管理:所見から得られる悪性腫瘍の確率、患者の意向と悪性腫瘍のリスクから決められる。
  • 10) スコア4X:棘状突起(スピキュレーション様)、1年でサイズが2倍になるGGN、リンパ節の拡大など、肺癌の疑いが高い結節
  • 11)明瞭な境界、楕円形、レンズ形または三角形の形状で、最大径が10mm未満又は524mm³(Perifissural結節)未満の充実型結節はスコア2として分類する。
  • 12) 定期的なCTで変化しないスコア3および4Aの結節はスコア2として扱い、12か月後にスクリーニング検査をする。
  • 13)LDCT:低線量胸部CT

原文

Lung‐RADS®Version 1.1 Assessment Categories Release date: 2019

参照・関連リンク

日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン 2018年版 ver.1.1

https://www.haigan.gr.jp/guideline/2018/1/1/180101000000.html

日本肺癌学会:監訳 肺癌スクリーニング(NCCN Guidelines)

https://www2.tri-kobe.org/nccn/guideline/lung/japanese/lung_screening.pdf

日本CT検診学会 低線量CTによる肺がん検診の肺結節の判定基準と経過観察の考え方第5版

https://www.jscts.org/pdf/guideline/gls5th201710.pdf

日本CT検診学会 ガイドライン委員会 日本における低線量 CT による肺がん検診の考え方

https://www.jscts.org/pdf/guideline/ct130726.pdf

日本肺癌学会 肺癌集団検診ガイドライン

https://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/249.pdf

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